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春本番。春宵一刻値千金という言葉がありますが、なににもまして、春の宵は素敵ですね。飲める方なら、一献傾けるともう最高の気分でしょう。
今回は、中国のお酒について、お話ししましょう。まさに“春宵一献値千金”です。
四千年の歴史を誇る中国ですから、酒の種類も数多くあります。おなじみの紹興酒(しょうこうしゅ)、米酒(みいちゅう)、 酒(ぴいちゅう)などなど。米酒は日本で言う清酒です。
また、 酒はビールのこと。ウォッカやジンにあたるマオタイ酒はアルコール度数が20数度で、なかには75度という強烈なものもあります。
なんといっても、日本人になじみがふかいのは紹興酒でしょう。これは華東地区中部浙江省(せっこうしょう・東シナ海に面し、省都は杭州)が発祥の地。この地で作られた酒だけを紹興酒と呼ぶことができます。
メキシコのテキーラ、ボルドーのワイン、フランス・シャンパーニュ地方のシャンペンと同じです。その地のブランドなのです。が、なかには、台湾紹興酒や上海紹興酒というものもあります。
日本酒はうるち米を米麹で発酵させますが、紹興酒は餅米を紅小麦麹(べにこむぎこうじ)で。 そのために、赤みを帯びているのです。アルコール度数は16〜17度。 日本酒と同じくらい。よく紹興酒は強いなどといいますが、そうでもありません。
日本酒は新酒が尊ばれますが、紹興酒は年月を経て熟成したものの方がいいとされます。製造して三年以内のものを陳年(ちんわん)といい、年を重ねるにつれて、加飯(かはん)、香雪(こうせつ)、花彫(はなほり)と別名がかわり、ランクがあがるのです。花彫だと20年ものとなります。
中国では女の子が誕生したら、酒を造り、それが花彫になって、嫁入りの披露宴で振る舞うという風習もあります。紹興酒はねかせた方が、まろやかにコクがでて、珍重されるのです。
日本では紹興酒に氷砂糖を入れていただきますが、これは中国では見られない光景です。なぜ、日本人だけがそんな飲み方をするようになったかについては諸説があります。
ひとつは、関東軍が中国を占領していた頃、紹興酒の独特の臭みをけすために入れたという説。さらに、新しい紹興酒はアルコール度数が高く辛口なので、それを飲みやすくするために入れたという説。
熟成した紹興酒は甘みがあります。何が起源か、いまとなっては定かではありません。
では、中国ではどんな風にいただくか。主に三通り。ロック、ストレート、そして、ぬる燗。レモンスライスを入れたり、また活梅(わーむい・梅の実に砂糖をまぶして天日干ししたもの)を加えたり。やはり、中国料理には、これが最高かもしれませんね。
ちなみに、中国へ取材旅行をした折に紹興酒の工場も訪ねましたが、そこでは日本製の日本酒の機械が活躍していました。
同じ醸造酒だから、なるほどと感心したものです。日本製の優秀さはこんなところでも発見できました。
中国では酔っぱらいはあまりみかけません。酒癖の悪い人のことを酒鬼(ちゅーくい)と呼び、とても軽蔑します。どこの国でもおなじことです。
お酒は嗜むもの、楽しむもの。くれぐれも、酒に飲まれないようにするのは、万国共通の心得ですね。さぁ、春の宵。いい御酒をいただきましょう。 |