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犬も食べないといえば、夫婦ゲンカ。世の中で一番まずいものなのでしょう。
今回は少し食を離れて、私の夫婦観についてのお話を。馬鹿話としてお聞き流し下さい。今年は例年を上回る猛暑とか。水分の取りすぎは、夏ばてのもと。ご注意下さい。
私が結婚したのは昭和35年。もう45年になります。大阪・帝塚山で幼稚園の先生をしていた家内と知り合い一目惚れ。
すぐさま求婚したのですが、当時はまだ国籍によるの差別が強く残る時代で周囲にも反対する人が少なくありませんでした。
幸いなことに、家内の叔父にあたる東竜太郎さん(当時の東京都知事)が「相手が中国人だから、どうのこうのと、そんな古いことを言ってどうする。時代は変わっているんだよ」と賛成して下さり、晴れて結ばれることになりました。
私も当年69歳。なんとかここまでやってこられたのは、本当に家内のおかげ。それを痛感したのは、愚か者ですから60も過ぎてからのことでした。
本人は一切口に出しませんが、長い夫婦生活で何度か離婚を考えたこともあるのではないかと想像します。これはどこの家庭でも同じかもしれません。
私が一番後悔しているのは、父と母を亡くしたときに、「もうこれで天涯孤独やな」とこぼしたことです。「なにをゆうてるの、私がいるやない」。この言葉に心が破れそうになりました。なんと、うかつな、なんと身勝手な。
それやこれやを思い起こすと、もしやして、私ではなく、ほかのよき人と一緒になれば、さぞや幸せになったのでは、などと甲斐もないことも。
ご承知のとおり、私は料理人としてだけでなく、やれ舞台に立ってみたり、ボランティアに夢中になったり、最近は陶芸や水墨画に凝ってみたり。いわば、したい放題の暮らしぶり。それを黙って見守っているのだから、もう、これは仏様以上でしょう。逆に言えば、私は仏様の手のひらで遊ぶ孫悟空なのかもしれませんが…
いずれしろ、家内はいまも毎日梅田の店「リュータン」を取り仕切っていますし、家庭のこともおろそかにしません。感謝に一語以外の言葉が浮かばないのです。本来なら、もうゆっくりと遊んで暮らしていてもおかしくない年齢なのですから。
私にできることといえば、その感謝の気持ちを日々表すことくらいでしょうか。私なりに心に刻んでいる三箇条は、
1 なににつけても「ありがとう」と口にする
2 妻は一番身近な他人と胸に刻んで、心を配る
3 陰口を言わない
当たり前といえば当たり前のことばかりですが、なんとか家内の寛大さと、この三箇条のおかげで、無事5月に45周年の結婚記念日を迎えました。そして、家内は、もっとも辛辣な評論家であり、もっとも信頼のおける支援者。かけがえのない存在です。
ちなみに、私が家内と電話をしているのを横で聞いていた方が「いまのお相手は奥様?程さんは、奥様に驚くくらい丁寧な話しようをなさるのですね」と言われることがあります。これがちょっとした自慢です。
さて、今年は、空梅雨で水不足、おまけに例年以上の猛暑とか。水やお茶、清涼飲料水は控えめにして、くだもの、ジュースなどを摂ることをお勧めします。夏ばてに、ご注意下さい。では、また来月。 |